日訓練に勤しんで来た私が、

いよいよ初めての任務に挑戦するわ!

「これは訓練ではない!」という

ママと運転手からの(珍しく)真剣な言葉を胸にしまって

決死の覚悟で事件解決にあたるわ!

 

 

第1話

★ 基地発見 ★

 

夏の日射しの中、穏やかな休日の昼下がりに

突如としてその事件は発覚したのでした。

 

いつもながら役に立たない運転手が

ぐぉぐぉといびきをかいて寝坊助しているとき

ママは洗濯物を干しにベランダに出て、ふと見上げると

物置の上になにやらハトの置物らしき物があるのに

気づきました。

 

「こんな所にあったかしら?・・・」

ハト吉1

「・・・?」

「動かないけど?・・・」

ハト吉2

「えっ!」

「ホンモノのハト吉〜?!!!」

おどろいたママは、ぐうたらな運転手をたたき起こし、

わたしを呼んで緊急対策会議を開きました。

会議?

「カイギ」っておいしいものかな?ってちょっとワクワクしてたのに

なにも出てこなくて、けっこうがっかりだったわ!

 

カイギってねむくなるものなのね。

うつら、うつらとしながらママと運転手の話しを聞いていると

どうやら「ハリコミ」とかいうことをしろっていうの。

ハリコミ?

それっておいしいの?

 

よくわかんないけど、てきとうに聞いてたら

なんと、宿敵ハト吉が岡村署に

前衛基地を作ったっていうじゃないの

いつも逃げてばかりだと思っていたら

いよいよ攻撃に打って出たわね!

ハト吉が!

とにかく、ハリコミするわ!

 

 


 

 

第2話

★ チョーサ開始 ★

 

まずは現場のチョーサが必要ね。

そ〜っと覗いてみると・・・

いたいた。

ハト吉にまちがいないわ!

たしかにっ

 

 

 

なんともえらそうにしてるじゃないっ!

それにしてもフテブテしいわね。

いつもならすぐに逃げていくのに。

ふん

角度をかえて、もっとくわしくチョーサしましょ。

 

 

 

 

 

 

く〜、こんなにちかくにあのハト吉が

いるなんて、すぐにでも飛びかかりたいィ〜!

でも、それはできないのよね。

くわしくチョーサして現状のハアクがひつようなのよね。

おっ、ちょとウロたえているようね。

それにしても、どうしてそこを動かないのかしら・・・?

事件のなぞをとくカギはきっとそこにあるのね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッ!

なに?あれは。

ハト吉がどいたそこには

なにやら、しろくてまあるいものがふたつ。

はじめて見るものだわ!

すぐに、ママに報告しなきゃ。

 

 

モモ「報告しますっ。ハト吉はしろくてまあるいものをかくしてました!」

ママ「えっ、それはもしかしたらハト吉の卵じゃないの?」

モモ「タマゴ・・・?」

ママ「卵っていうのはね、ハト吉の赤ちゃんが入っているものなのよ。」

モモ「赤ちゃんが入っているっ!!!」

おどろいたわ!

あのハト吉は卵を守ってじっとしていたのね。

赤ちゃんを必死に守ろうとしていたのね。

やるじゃない、ハト吉!

わたしゃ、みなおしたわよ。

 

現状のハアクが完了して

これからのことを岡村署でケントウした結果

ハト吉の卵が孵って無事に巣立つまで

じっと見守ってゆこうということになりました。

わたしもあんな卵からうまれたのかなぁ・・・

母親って強いんだなぁ・・・

いろいろとかんがえてしまいました。

明日からはハト吉に気づかれないように

そ〜っと張り込みを続けるわ。

 

 


 

 

第3話

★ 突然のお別れ ★

(ハト吉編最終回)

 

いつものように

遠く離れた窓から張り込みを続けていたの。

毎日、毎日そうっと気付かれないように。

とくに変わりはなかったわ。

 

 

ある日、となりの部屋の「えあこん」とかいうものが

こわれたってママたちが話していて

しらないおにいさんが来てベランダでお仕事はじめたの。

ちょっと、それはマズイんじゃないかって思ったけど、

そうしないとママも運転手も「みいら」になっちゃうって困っていたの。

みいら」ってなんだか知らないけど、

きっと、とってもクサクマズイものなんじゃないかしら...。(>_<)

心配だったけど、ハト吉はいつもと変わらず

赤ちゃんの入った卵を守っていたわ。

 

 

日後、いつもいるはずのハト吉の姿がなかったの!

とっても心配したの。

ママと運転手がお仕事から帰ってきてすぐに報告して

一緒に張り込んでみたら

ハト吉はいつのまにかちゃんと帰ってきてるじゃないの!

よかった〜!(^o^)/

 

 

 

 

 

と、安心していたら、

その日を最後にハト吉は帰ってこなくなりました。

 

 

 

 

 

赤ちゃんの入った卵が気になって

そ〜っとみてみたら,,,

 

 

 

 

 

 

 

あぁ〜〜〜〜〜っ!

ないっ!!!

 

どこいっちゃったのよ〜!

 

 

わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ

わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!

悲しくって悲しくってたまらなかったわ。

 

 

いったいなにがおこったの?

えあこんがこわれたのがいけなかったの?

わたしの張り込みがヘタだったから?

 

 

ママも運転手もとてもがっかりしてたの。

 

でも、いつまでも落ち込んでいたらだめって

ママがおしえてくれたの。

 

そうよね、

ハト吉はどこか別のもっといい場所へ

お引越ししたんじゃないかしら。

きっとそこでかわいい赤ちゃんを育てているんだわ!

 

 

来年になって大きくなった子供たちを連れて

また帰ってきて。ハト吉!

それまでにわたしも張り込みが

じょうずになってみせるわ!

まってるわハト吉!

 

張り込み報告

ハト吉編

 

 

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